『被害者意識』は心の深いところでACの行動をコントロールしています。
この記事ではどうやって自分の中にある被害者意識に気づくことができるのか、またそれから解放される方法について書いています。
1.アダルトチルドレンの回復のために被害者意識の不合理さに気づく!
ACが被害者意識をもっているのはある意味では当然のことです。
なぜなら子供時代に虐待ないし養育放棄の機能不全家族で育ったからです。
機能不全家族で育って十分な養育を受けることが出来なければ、そのことに対して被害者意識を持つのは当たり前のことです。
問題はそこではありません。
問題の核心は大人になった今も親に対してだけ被害者意識を持つのではなく、他の人々に対しても被害者意識をもっているというところにあります。
そして始末が悪いことに自分から被害者意識を感じるようなシチュエーションを買って出ています。
そして「自分は被害者だ〜」と悦に入っているのです。
これを嗜癖と言わないでなんと言えばいいのでしょう。
まさにアダルトチルドレンは被害者意識を嗜癖として使う依存症者なのです。

2.子供時代を生き延びたサバイバル術を大人になっても使ったのは自分の責任

子供時代に養育者から被害者意識を受け取ったのは責められるべきことではありません。
また毒親は死ぬまで毒親のままの場合が多いので、大人になってからも養育者に対して被害者意識が無くならなくても、これも責められるべきではありません。
しかし責められるべき点がたった一つあります。
それは大人になっても無自覚に子供時代のサバイバル術を使い続けたということです。
例えば子供時代に「自分さえ我慢すれば家族は破綻せずにすむ」という対応はやむを得ないことでしたが、この様な対応の仕方は被害者意識を溜めてしまいます。
大人になってからも同じような対応方法すなわち「自分さえ我慢すれば丸く収まる」という対応方法を取り続けるなら、必ず被害者意識満載の人間になります。
それはそうです。我慢しているということ自体が被害者そのものですから。
しかし見落としていることがあります。
それは心の健康な人々は決してそうしないということです。
骨が折れても、面倒くさくても、相手のところに出向き、問題解決のために努力します。
被害者意識を嗜癖として使う人はそのような努力をしなくても済みますから、ある面では楽ちんな生き方ではあります。
しかし楽ちんな生き方を続けると人生は必ず自分の思い通りにならなくなります。
3.大人の自分自身を傷つけたのは他人ではなく自分の性格上の欠点
被害者意識を嗜癖として使うようになると、自分から被害者意識を感じれる状況を探して回るようになります。
そして「あぁやっぱり自分は被害者だ!」と悦に入るのです。
このような生き方が少なくとも表面上はうまく行っている間はACは決して被害者意識を手放そうとしません。
数少ない自分の自由になる不快感情から逃れるための便利な道具(嗜癖)ですから。
しかし嗜癖が便利な道具である期間は極めて短い間だけであり、あっという間に嗜癖の奴隷になります。
絶対に被害者意識に振り回されてはならない場面で被害者意識丸出しの行動をしてしまい、周囲からひんしゅくを買います。
このようなことが続くと人生は行き詰まることになります。
こうなってはじめて嗜癖を手放す準備が整います。
そして12ステップの棚卸し作業に取り組むと意外な事実を発見します。
それは今の今まで自分自身を傷つけていたのは他者であるとばかり思い込んでいたのが、実はそうではなく自分を傷つけた真犯人は自分の性格上の欠点からくる行動パターンだったという事実です。
具体的に解説すると「その場面でもしあなたが自分の本心を言っていたら今でも相手を恨んでいると思いますか?」ということです。
今までこの質問をしたすべての人が「いいえ、そのときに自分の本心を相手に言っていたら、自分は相手を恨んでいなかったと思います」とお答えになりました。
そうです。自分自身を傷つけていたのは他人ではなく、怖れに基づいた不正直な対応をするという自分の性格上の欠点からくる行動パターンだったのです。
この事実に気づくと本当に解放されます。
もちろん引き続き日々の棚卸しを行わないと元(もと)の木阿弥(もくあみ)になります。
4.解決策は二つある

被害者意識という嗜癖から解放されるために二つの方法があります。
①嗜癖に対して無力を認めること
アルコール依存症者がアルコールに対して無力を認めるように、アダルトチルドレンは被害者意識に対して無力を認めます。
ミーティングに参加して仲間の話を聴き、自分の話をします。
そうすることによってスリップした話を聴けば「私も無力である」とステップ1を踏むことが出来ます。
またうまく行っている仲間の話を聴けば「私もあのように回復したい」と自分を超えた大きな力が健康な心に戻してくれると信じることができます。
②嗜癖を使う理由である不快感情を溜め込まないために新しい行動パターンを全力で実行する
不快感情をダムに例えると、私たちのダムにはヒビが入っています。
それで壊れやすくなっています。
あまりに不快感情が溜まりすぎると『不快感情ダム』はあっけなく決壊してしまいます。
そうならないために不快感情を溜め込まないようにすることが大切です。
不快感情は感情が暴走することによって生まれ、感情の暴走は本能が傷つくことによります。
本能が傷つくのは自分の性格上の欠点が真の原因でした。
それで新しい行動パターンを全力で実践することだけが不快感情を溜め込まないためのただ一つの方法ということになります。

◎回復と平安を祈っています。


