EA(感情と情緒に問題を感じる人々の相互支援グループ)で使っているテキストであるHow It Worksには「問題は基本的に自家製のものだということを私たちは認めなければならない」(22頁、3行目)と書かれてあります。
他人は私を傷つけることができません。
どんな人であっても他人に傷つけられずに生きていくことができます。
その方法を解説します。
1.問題の原因を知る
アダルトチルドレンの問題行動の5番目には「私たちは自分の人生を被害者の視点で生きている」とあります。
これは自分は誠実に真面目に一生懸命に生きていたのに、無遠慮で無思慮な他人がズカズカと私の中に入り込んできて私を傷つけたのだと思い込んでいるということです。
ですから悪いのは全部自分以外の他人だと思っていたのです。
しかしこのように考えている限り、問題を正しく理解しているとは言えません。
問題を正しく理解しているとは、原因は別にあったと気づくことです。
それは他でもない自分自身の性格上の欠点が私を傷つけていたのだと知ることです。
誰が傷つけるよりも一番自分が傷つくのは、自分の不正直な行動をもう一人の自分である自分自身が公平にジャッジすることです。
普段は抑圧・否認して気づかないようにしていますが、しかし心の中ではこのような営みが確かに行われているのです。
そのため心の中に不快感情(マイナスのストレス)が溜まっていきます。
プラスのストレスの場合は嗜癖に頼る必要はなく通常のストレス解消の手段でなんとでもなります。
しかしマイナスのストレスの場合は嗜癖と呼ばれるような強烈な快感を与える手段に頼る他はありません。
2.二つの問題と問題の本質を知る
依存症やアダルトチルドレン・共依存症は治らない病気です。
しかし回復は可能なので、回復に専心すべきと言われています。
依存症には二つの問題があります。
それは強迫観念と渇望現象です。
強迫観念とは「飲まないぞ!」と堅く決心しているにもかかわらず、いざ強迫観念が襲ってくると、強迫観念が教えるウソにコロッと騙されてしまうことです。
アダルトチルドレンや共依存症者も同様です。
普段は「行き過ぎた責任感や過剰な世話焼きを発揮しないぞ!」と堅く決心しているのですが、いざ強迫観念が襲ってくると、気がつくと「私がやらなきゃ誰がやる」みたいな感じになっているのです。
これが強迫観念の働きです。
渇望現象とは一旦強迫観念によってスイッチが入ってしまうとブラックアウトするまで止めることができないことです。
アルコールの場合は文字通りのブラックアウトですが、アダルトチルドレンや共依存症者の場合は「誰が見てもそれおかしいやろ!」というような人との関係をいつまでも切ることができないなどの行動に現れます。
思い当たるフシはありませんか?
強迫観念と渇望現象に対して無力であるということが私たちの問題の本質なのです。
そうであるにもかかわらずいとも簡単に「巻き込まれないように気を付けます」などと、のたまう人が多いのはどういうことでしょうか。
「気をつけていられるんだったら無力じゃないじゃないか!」とありのパパは心の中で叫んでいます(笑)。
問題の本質は強迫観念と渇望現象に対する無力にあると本当に分かったら、私たちは変わることができます。
3.とにかく止める。とにかくスリップしない
12ステッププログラムに取り組んでいて不思議に思うことがあります。
それは12ステップを本当に理解しようと思うなら嗜癖が止まっている必要があるのですが、嗜癖が止まるのは12ステップを本当に理解できたあとなのです。
これが障害となっていつまでも12ステップを理解できないと苦しんおられる方が多いのではないでしょうか?
シラフでないと12ステップに取り組むことはできません。
なぜなら正常な理解力と気づきが必要だからです。
ではどうしたら『初期的シラフ』とでもいうべきものを獲得できるでしょうか?
それが共同体から受ける助けと支えです。
最も効果的なのはリアルミーティングに参加することです。
その次に効果があるのがスカイプを使って行われるミーティングに参加することです。
現在ではどの相互支援グループでもスカイプミーティングをやっているようです。
ありのパパの12ステップブログでも二つのミーティングをやっていますので、よろしければご参加ください。
ACと共依存症者のためのミーティング

怒り依存症と感情と情緒に問題を持っている人々のミーティング

4.本質的な解決策
アダルトチルドレンの13の問題行動はアルコール依存症における嗜癖と同じものです。
アルコール依存症者は飲むことによって不快感情から逃れようとしました。
同様にアダルトチルドレンは13の問題行動に嗜癖することによって不快感情から逃れようとし、共依存症者は自分自身や他者、そして神を自分の思い通りにコントロールしようとする病的な支配欲求に嗜癖することによって不快感情から逃れようとしているのです。
ですから本質的な解決策は不快感情を発生させないことです。
不快感情を発生さなないためには本能が傷つかないようにすることです。
本能が傷つかないためには自分自身の性格上の欠点からくる行動パターンを変える必要があります。
この本質的な解決策を実践する中で「他人は私を傷つけることができない」という事実に気づくようになります。
今までの「他人が私を傷つけたのだ」というのはとんでもない思い込みであり、見当はずれであったと気づきます。
5.回復には転機的経験と漸進的経験がある
回復には二つの面があります。
一つは霊的に目覚めることによってごく短期間のうちに人格が変わるという面です。
もう一つは少しずつ人格が変化していくという面です。
この少しずつ人格が変化していくためになすべきことは二つあります。
それは日々の棚卸しに継続的に取り組むことと、自分の中に残っている未解決の問題に12ステップの原理を応用することです。
12ステッププログラムはメッセージ活動で終わりではありません。
その次があります。「これらのステップを経た結果、私たちは霊的に目覚め、このメッセージを他の人たちに伝え、そして私たちのすべてのことにこの原理を実行しようと努力した」
アダルトチルドレンの問題行動は明らかになっているだけでも13個もありますから、これをなんとかしなければなりません。
この何とかする作業を統合作業と言います。
自分に問題があると気づかない限り、問題のカラクリを理解しない限り、アダルトチルドレンの生き方の奴隷状態のままです。
アダルトチルドレンでない人々にとっても問題が何もないという人はいません。
もしいたら、その人はとんでもなく傲慢な人か、それとも絶望的なぐらい心の目が盲目な人なのです。
12ステップの最後のステップを踏み続けることによって、私たちはますます幸せは自分持ちであり、他人は私を傷つけることができないという事実に目が開かれていくのです。
◎回復と平安を祈っています。
